膵がん根治を目指すには手術だが…80歳超の手術はアリか

公開日: 更新日:

 80歳以上の膵がん患者さんの生存期間中央値は12・4~13カ月に対して80歳未満では13・0~35カ月と報告され、8編中3編は予後が有意に不良であるとし、5編は有意差なしと報告しています。

 80歳以上と未満との比較では、全身症状の医学的指標である「パフォーマンスステータス」や「ASAスコア」の高い80歳以上における膵がん切除後の死亡率は0~15・5%に対して1編を除いて若者の死亡率(0~9・3%)と統計的な有意差は報告されていません。術後の合併症も4編で差がなかったと報告しています。ただし、手術後の生活の質において、在院日数と自宅への退院率を比較した論文6編中3編は80歳以上の入院日数が延長しており、自宅への退院率は63%と若者に比べて17%程度低かったのです。

 先ほどお話ししたように、これらのデータは後ろ向き研究から得られたものです。すでに、データ採取が完了していて、対象者の不均一性やデータの欠損があってもそれを補うことができません。そのため、必ずしも正確な状況を反映しているとはいえません。さまざまな意見が出るのは当然です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か