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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

「睾丸回転症」血液と精液が通る管がねじれて激痛が走る

公開日: 更新日:

 そのため発症から長く放置していると、睾丸が壊死してしまう危険性があります。壊死してしまえば睾丸を摘除しなくてはいけません。ねじれた精索を元に戻す治療には、陰のうの外から手を使って元に戻す「用手整復術」もありますが、そんなに時間はかけられません。うまくいかなければ「緊急手術」に踏み切り、陰のうを切開して精索を元に戻します。

 発症から6時間以内に手術すれば、90%は睾丸機能の回復が望めます。それが12時間以上経過すると50%、24時間以上も経過してしまうと90%以上は睾丸が壊死してしまうとされます。睾丸回転症の原因は、睾丸が生まれつき陰のうに固定されていない、もしくは固定がゆるい状態にあることです。それで特に、成長期は睾丸が急に発達するので、何かの拍子に精索がねじれやすくなるのです。

 原因が構造的な異常なので、たとえ用手整復術で回復したとしても、一度発症していると再発しやすくなります。手術で治す場合には、ねじれた精索を元に戻すとともに予防的に睾丸を陰のうに固定する処置を行います。このとき同時に発症していないもう片方の睾丸も固定します。

 睾丸回転症は、ほとんど片側の睾丸に発症します。夏よりも冬に発症しやすく、右より左の睾丸の発症の方がやや多い(約65%)という特徴があるとされています。陰のうの痛みには十分注意してください。

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