血圧は「下」にも気を付けたい…90以上は治療対象

公開日: 更新日:

血圧が140になっちゃったから治療を受けないと」「130を超えたら気を付けたほうがいい」──。血圧というと、こうした数値が持ち出されるケースが多い。いずれも「収縮期血圧」、いわゆる「上の血圧」の数値だ。高血圧症の診断ではもちろん重要な数値だが、血圧には「拡張期血圧」=「下の血圧」もあり、そちらにも注意する必要がある。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 日本では高血圧症の患者は約4300万人と推計されている。日本高血圧学会では「収縮期血圧140㎜Hg以上あるいは拡張期血圧90㎜Hg以上(診察時)」を高血圧症と定めていて、脳卒中心筋梗塞といった脳血管や心臓血管の病気の最大の危険因子であることから、すぐに治療が行われる。

 血圧とは、血流が血管の壁を押す圧力のことで、心臓が収縮して全身に送り出す血液量(心拍出量)と、血液の受け皿の末梢血管の抵抗力(末梢血管抵抗)を掛け合わせたものである。

「心臓が全身に送り出した血液は、最終的に肺を経由して再び心臓に戻ります。心臓が収縮して血液を送り出す際に血管にかかる圧力の最高値を『収縮期血圧(上の血圧)』、戻ってきた血液を一時的にため込むために心臓が拡張して血液を送り出していない状態で血管にかかる圧力の最低値を『拡張期血圧(下の血圧)』と呼びます。ですから、心臓が1回拍動するたびに上の血圧と下の血圧が必ず生じることになります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?