著者のコラム一覧
牧田善二糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

「肉をたくさん食べると心筋梗塞や脳卒中になる」は間違い

公開日: 更新日:

 皆さんは「ファクトフルネス」という言葉をご存じでしょうか? スウェーデンの医師で公衆衛生の研究者が作り出した造語です。データや事実に基づき、世界を読み解く習慣のことです。

 この研究者が書いた同名の本はビル・ゲイツやオバマ元大統領が激賞し、世界中で大ヒットしました。耳にしたことがある、という人も多いと思います。

 人は思い込みから行動したり、主張したりすることが多く、勉強ができる人ほどその傾向が強い。だから、データや事実と向き合うことが大切で、思い込みから解放されれば世界を正しく見ることができるというのです。

 私もまったく同感で、患者さんに限らず医療関係者や学者のなかにも、過去のデータや記憶、思い込みにとらわれて、真実を見誤っている人は少なくありません。

 そのひとつの例が、「肉をたくさん食べると脳卒中になりやすい」という“常識”です。この常識は新たなデータにより否定されています。

 2013年に「ヨーロピアンハートジャーナル誌」に掲載された、筑波大学などが行った研究論文によると、肉をたくさん食べ、飽和脂肪酸の摂取量が増えるほど血圧が下がり、脳卒中と心筋梗塞の発症率は飽和脂肪酸の摂取量が一番少なく、炭水化物をたくさん食べている人たちに圧倒的に多く発症したのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層