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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸がんは「左」と「右」で治療効果が異なる…右は治りにくい

公開日: 更新日:

 劇団民芸所属の女優・岸野佑香さんが、大腸がんで亡くなったと報じられました。享年81。大腸がんの罹患数は部位別トップで、増加傾向ですから改めておさらいしておきましょう。

 増加の要因のひとつは食生活の欧米化に伴った肥満や運動不足で、いわゆるメタボ的な生活がよくありません。飲酒や喫煙もマイナスで、逆に運動はプラスに働きます。

 大腸がんが興味深いのは、部位によって傾向が異なることです。まず大腸は、結腸と直腸に分けられ、結腸がんは進行しても自覚症状が現れにくいのに対し、直腸がんは血便、便が細くなる、下痢と便秘を繰り返す、腹痛、残便感といった症状が現れやすい。血便でも肛門の痛みがないのが、痔との違いです。

 ですから、症状が発見のキッカケになりやすいのは直腸がんで、結腸がんはなりません。どちらになるかは分かりませんから、症状をアテにするのは危険で、どちらもカバーする毎年の便潜血検査で早期発見を心掛けることが一番です。

 最近の研究では、大腸がんが発生する部位によって治療効果も異なることが分かってきました。結論からいうと、右は治りにくく、左は治りやすいです。右は盲腸と上行結腸と横行結腸の右3分の2で、左は横行結腸の左3分の1と下行結腸とS状結腸、直腸です。米国の研究によると、手術不能の大腸がん患者を部位で分けたところ、生存期間の中央値は、左が33カ月、右が19カ月でした。

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