著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

「頭に血が上る」とはどんな状態?血流と感情のメカニズム

公開日: 更新日:

 電車の中などで、顔を真っ赤にしながら、突然怒り出す中高年を見かけることがあります。あるいはまた、若い人たちが会話の最中に、いきなり怒って暴言や暴力を振るってしまう。

 こうした感情の急変を、「キレた」とか「頭に血が上る」という表現を用いることがあります。では実際、このような急変する感情の変化と血流の間に、医学的にはどのような相互関係があるのでしょうか。

 頭に血が上るとは、一般的に血圧が急に上がったときの頭痛の症状を指すことがあります。また、ほてりを指すこともあり、それに血管の拡張による顔、頚部、頭部などの充血感、熱感を指す場合があります。

 では「興奮」のメカニズムはどういうことでしょうか。これは何らかの刺激を受けることで、安静の状態から体が活動状態に変化することです。

 もちろん興奮するのは、怒りを感じたときだけではありません。素晴らしい景観、演劇そして映画・テレビなどを見たときや音楽を聴いたときも興奮します。興奮を起こす外部からの情報は脳の中の視床下部室傍核に入り、視床下部―下垂体―副腎皮質系だけでなく交感神経系を活性化させます。交感神経の作用で情報を伝えるホルモンのアドレナリンやノルアドレナリンが副腎髄質で作られ、これら神経節や脳神経系における神経伝達物質が興奮による体の反応を起こします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝