著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

【逆行性射精】射精後の尿が白く濁っていたら要注意

公開日: 更新日:

 実は、精液も尿も同じ1本の尿道を通って出るのですが、その担当する神経はまったく別なのです。つまり射精は交感神経の働き、排尿は副交感神経の働きによって行われているのです。

 勃起は副交感神経によって起こりますが、性的興奮が高まり射精する瞬間に一気に交感神経優位に切り替わります。この交感神経の働きによって、射精時に前立腺と膀胱のつなぎ目(膀胱頚部)が閉じるので、精液が膀胱に逆流しないで射出できるのです。

 一方、排尿時は副交感神経が優位になり、膀胱頚部や前立腺部尿道がゆるむ(開く)ことで尿を出すことができるのです。だからリラックス状態でないと気持ちよくスッキリと出せません。公衆トイレの小便器の前に立ち尿を出そうとしているときに、急に隣の小便器に人が立つと尿が出にくくなります。これは突然の人の気配に緊張して交感神経が働き、膀胱頚部が閉じるからです。

 逆行性射精は男性不妊の原因になりますが、子づくりを望んでいなければ特に治療の必要がありません。不妊治療は、膀胱頚部を閉鎖する作用のある交感神経刺激薬や三環系抗うつ薬などの薬物療法。または膀胱内の精子を回収して、人工授精を行う方法があります。

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