著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

嗅覚・味覚障害の原因は支持細胞が炎症で障害された可能性

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症の初期に、嗅覚・味覚障害が多く見られるが、それは一般的な風邪をひいた後の嗅覚障害とは原因、症状や経過がやや異なるようだ。

 風邪をひいた後、症状が改善してからも、嗅覚障害のみが残ることがある。感冒後嗅覚障害と呼ばれ、嗅覚障害全体の2割程度に及ぶ。

 嗅覚障害が生じる原因として、次の2つのことが考えられている。ウイルスが感染した神経細胞組織を直接傷つけることと、ウイルスに対する免疫応答で動員される炎症細胞による細胞組織の障害だ。

 一般に嗅覚障害の程度が軽度の場合は半年程度で治ることが多く、中等度から高度の障害では半年たってようやく改善が始まることが多いといわれている。長期的には、8割の患者が改善するが、完全に戻るのは3割程度と報告されている。

 新型コロナウイルス感染では、鼻閉や鼻汁といった鼻炎症状により嗅覚障害が生じた場合だけでなく、鼻炎症状がないにもかかわらず突然に重度の嗅覚障害だけが生じたケースも報告されている。後者の例は一般的な風邪による嗅覚障害ではない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情