新型コロナの感染や発症を防ぐには“第1の防御壁”自然免疫が重要

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスは、感染しても症状が表れない人が半数から3分の2を占めていて、不顕性感染(無症状感染)が非常に多い。これは、ウイルスをもらったとしても感染する前や、感染しても症状が出る前に治っているからだと考えられる。ここで重要な働きをしているのが「自然免疫」だ。

 われわれの体には、病原菌や異常な細胞といった「異物」を認識し、それらを排除して自身の体を守る防御機構が備わっている。これが「免疫」と呼ばれるシステムだ。この免疫システムはいくつもの防御段階があって、大きく「自然免疫」と「獲得免疫」の2系統に分かれ、さらにそれぞれ2種類ずつが存在する。

「ウイルスや細菌といった病原体に対する第1の防御壁が『自然免疫』で、特定の相手ではなくどんな異物に対しても反応するのが特徴です。ヒトの体でウイルスが増殖するには、まずは体内に侵入して特定の細胞にくっつき、さらにその細胞内に侵入しなければなりません。一般的にはこの段階が『感染』と呼ばれる状態で、たとえウイルスが気道に存在していても、細胞内に侵入する前に排除してしまえば感染も発症もしないのです。自然免疫は、病原体が体内に侵入しないように防いだり、侵入されてもすぐに排除を始めて感染する前に処理する働きをしています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし