著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

卵巣がんを予防する効果も 「ピル」の意外な効能と副作用

公開日: 更新日:

 女性が主体的に取り組める避妊法に「ピル(経口避妊薬)」の服用があります。

 ピルには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類の女性ホルモンが配合されています。

 エストロゲンの含有量によって「高用量ピル」「中用量ピル」「低用量ピル」「超低用量ピル」に分類され、用量が多いほど治療的な意味合いが強くなります。避妊目的など一般的に使われるのは「低用量ピル」です。

 では、なぜ女性ホルモンを服用すると、避妊できるのでしょうか。エストロゲンには、卵子の発育と子宮内膜を増殖させる働きがあります。プロゲステロンには、子宮や体を妊娠に適した状態に維持する働きがあります。この2つの女性ホルモンの血中濃度が高まると、脳が「卵巣が女性ホルモンを出し過ぎている」と錯覚し、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌が抑えられて排卵しなくなるのです。低用量ピルを正しく服用すると、99.7%の避妊効果があるとされています。

 避妊以外にも、月経痛の軽減、月経不順・月経過多の改善、月経前の不快症状である月経前症候群の改善などの効果も認められています。また、子宮内膜症の予防、卵巣がんや子宮体がんのリスクを下げる効果も期待できるとされています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」