著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

卵巣がんを予防する効果も 「ピル」の意外な効能と副作用

公開日: 更新日:

 英国の医学雑誌「ランセット」(2008年)に、ピルを長期間服用することで卵巣がんの発生が半減するという研究結果が発表されています。卵巣がんの抑制効果は服用期間が長いほど高く、5年で約3割、10年で約4割、15年で約5割、発症リスクが下がるとしています。

 このようにピルで排卵・月経を抑えることは、子宮の負担を減らしてさまざまなメリットがあると考えられます。しかし、その一方で、注意しなくてはいけないこともあります。避妊効果は高くても、コンドームを使用しない性交をすることで性感染症になる確率が高くなることです。特に子宮頚がんの原因になるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染は、低用量ピルの使用期間が長くなるほど増大します。

 それと、ピルの重大な副作用として「血栓症」(血の塊ができる)のリスクがあることです。

 15~19歳の女性のリスクを1とした場合、25~29歳で約2倍、30~34歳で約3倍、35~39歳で約4倍と高まるので、40歳以上は慎重投与、50歳以上や閉経後の人は禁忌となっています。また、喫煙も血栓症のリスクが高まりますので、35歳以上で1日15本以上吸う人もピルは服用できません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景