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佐野靖子ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

万一避妊の失敗に気づいたときに頼れる「アフターピル」

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 もし性交後72時間たってしまった場合でも可能な緊急避妊法に銅付加子宮内避妊具(Cu-IUD)という方法もあります。これは子宮の中に銅が付加された避妊具を挿入するものです。銅イオンには精子の侵入を阻害したり、運動性を低下させる効果があります。また受精してしまった後でも卵の着床を妨げる作用もあるので、性交後120時間以内まで使用できます。

 妊娠の可能性を99%以上減らす事ができるとされていますが、出産の経験がない場合は入らないこともあるし、性感染症がある場合は避妊具と一緒に子宮の中に押し込んでしまう可能性もあります。挿入した後は月経量が増えたり、長くなったりする可能性もあります。ただ一度装着すれば2~5年程度まではその後の避妊にも使用できるため、中長期的に使用したい場合は適している方法です。

 緊急避妊はあくまで緊急的に行うものです。1年間を通じて妊娠阻止率が99%を超える低用量ピルに対し、レボノルゲストレルによる緊急避妊では服用1回の妊娠阻止率は87.5%です。パートナーがいる場合は、男性でも女性でも普段から避妊法について検討し、話し合っておきたいものです。

【連載】巣ごもりGWだからこそ知る「ピルの効能」

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