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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「肥満」を防ぐ食生活が心臓を守り健康寿命を延ばす理由

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■犬の寿命も食と関係

 ただ、それはわかっていてもなかなか実践できない人がほとんどでしょう。「好きなものを食べる」という欲求はそれくらい大きいものなので、まずは、「食生活の改善が肥満を予防して健康寿命を延ばす」と強く意識することを心がけてみてください。もちろん、摂取したカロリーを適正に消費する運動が重要なのは言うまでもありません。

 近年、ペットとして飼われている犬の寿命が大幅に延びています。かつては10年前後でしたが、2012年から2020年の8年間で5年ほど長くなりました。これは、効果的な薬を使った感染症対策、獣医療の進歩、飼い主との適切なコミュニケーション、適度な運動の増加など、いくつか要因がありますが、中でも「食事の管理」が大きいと考えられます。

 最近は、毎日与えるドッグフードの質が大きく改善されていて、年齢や全身状態に応じてビタミンなどのさまざまな栄養素が配合されています。犬の生活習慣病を予防するための食事管理が進み、寿命が延びたのです。われわれ人間も同じです。日々の食事によって栄養状態が改善し、医療が大きく進歩し、生活習慣病をコントロールするために効果的な薬がたくさん開発されました。日本では、保険制度によって誰でも手厚く高水準の医療が受けられます。

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