著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

シュウ酸が豊富なホウレン草を控えると腎結石を予防できる?

公開日: 更新日:

 腎結石は腎臓の中に硬い塊(結石)ができる病気で、それが尿管に詰まると、尿路結石の痛みの発作を起こします。その痛みはとても激しいもので、一度体験すると、絶対に二度は体験したくない、つらい症状です。腎結石には幾つかの種類がありますが、最も多いのがシュウ酸カルシウム結石と呼ばれるものです。

 シュウ酸は野菜などのアクの成分ですが、ビタミンCなどから体でつくられる代謝産物でもあります。不必要な成分として尿から排泄(はいせつ)されるのですが、尿のカルシウムとくっつくと結石になるのです。

 シュウ酸を多く含む野菜の代表はホウレン草です。それでは、ホウレン草を制限すれば腎結石の予防になるのでしょうか? それについての大規模な研究結果が、2007年の腎臓病の専門誌に発表されています。全体で20万人以上を40年以上観察した、とても大規模な研究です。

 それによると、男性と高齢女性でホウレン草をたくさん食べる人は、食べない人と比べて3割程度、腎結石のリスクが増加しました。特に男性でカルシウムを取る量が少ないと、その傾向は強くなっていました。カルシウムをたくさん取っていれば、それがシュウ酸とくっついて便から排泄されるので、尿に出る量が減るのです。

 確かにホウレン草の取り過ぎは結石のリスクを少し高めますが、カルシウムを取るなどバランスに気を付けていれば、そこまで心配する必要はないようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情