世界初の肺がん治療薬が日本で承認 これで治療はどう変わるのか?

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 肺がんの新薬が続々と登場している。1月に日本で製造販売が承認された「ソトラシブ(商品名ルマケラス)」は、進行肺がんのうち「KRAS(ケーラス)遺伝子変異」というタイプに有効な世界初の薬だ。静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科の高橋利明部長に聞いた。

 肺がんのうち8~9割が「非小細胞肺がん」に分類され、がんの広がりが狭ければ手術、がんが体の中で広がり、手術ができなければ放射線や抗がん剤が適応となる。

 しかし近年、がんには多くの遺伝子変異が存在し、患者ごとに違いがあることが研究で分かってきた。そこで手術でがんを取り除けない進行・再発がんの場合、がんの原因となっている遺伝子変異を調べ、患者の遺伝子異常に応じた個別の治療を行う。これが、肺がんの個別化治療だ。

 今回、日本で承認された「ソトラシブ」は、KRAS遺伝子変異のうち、12番目のアミノ酸が変異した「KRAS G12C変異」の肺がんに対して作用するもの。

「遺伝子変異が判明しているものでは、頻度の少ないものも含め多くの薬が開発されており、日常診療で使われています」(高橋部長=以下同)

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