著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

「神田川」を作詞した喜多條忠さんが永眠 肺がん早期発見には最新血液検査がいい?

公開日: 更新日:

「貴方はもう忘れたかしら」の歌い出しで知られる「神田川」は、昭和の青春の象徴といわれています。その作詞をされた喜多條忠さんが、肺がんのため旅立ったと報じられました。享年74。10月中旬に入院先から自宅に戻ると、11月中旬に意識が混濁。22日に自宅で眠るように息を引き取ったそうです。

 肺がんは、日本のがん死亡原因のトップ。厚労省の人口動態統計によると、2019年は7万5394人の命が奪われています。2000年に比べて、2万人超の増加です。平成が始まった当初、5割を超えていた男性の喫煙率はほぼ半減。たばこを吸うのは、4人に1人です。

 肺がんは、喫煙がリスクの一つで、吸わない人に比べて男性は5倍、女性は4倍も増加します。禁煙効果はどうかというと、禁煙後1年で肺機能が改善し、2~4年で心筋梗塞脳梗塞のリスクが3割ほど減少。肺がんリスクが、非喫煙者並みに戻るのは20年とされますから、早い禁煙が大切です。

 喫煙者が少なくなっている今、喫煙との関係が薄いタイプの肺がんがあることをご存じですか。肺の奥にある肺胞の周りにできるタイプで、肺腺がんといいます。たばこの影響が強いのは気管支など肺の中心にできやすいのが特徴で、扁平上皮がんです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態