著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

腱板断裂の手術後 腕はいつから「普通に」使えるようになる?

公開日: 更新日:

 勇気を奮って「腱板断裂」の手術を受けた後、すぐに腕が使えるようになるものでしょうか。

 手術の目的は、切れた腱を糸を用いて骨につなぐこと。糸はあくまで仮固定で、腱と骨が直接癒合するまでには時間を要します。それまでは肩が動いて修復部がちぎれないよう、三角巾のような形をした装具で腕を吊って肩を保護します。

 つまり肩を守るために手肘の使い勝手を犠牲にした生活になるのです。装具の装着は通常1カ月ほどですが、断裂が大きいときはもっと長い期間、装具生活となります。

 着替えやお風呂のときなどは一時的に装具を外します。食事や携帯電話など手肘の動きだけで済む動作は、装具をゆるめて両手を使えます。ただそれでも負担は大きいですね。

 装具をつけていると肩回り全体が硬くなり、装具を外した後1カ月ほどは、腕が上がりません。リハビリが必要で、2カ月で地面に水平に、3カ月で二の腕が耳に触れるくらいまでバンザイ可能と、ゆっくり可動域が戻っていきます。

 また、腱と骨の癒合強度が十分になる術後3カ月までは重量物を持つことは避けてもらっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾