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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

秋野暢子さんは体力低下を投稿 がん患者は週2回の筋トレを

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 国立がん研究センターは約8万人を約7.5年追跡。1日の身体活動量とがん罹患の関係を調べたところ、がんによっては身体活動量が高いほどがんになりにくい傾向が見て取れました。

 こうした国内外の研究結果から、がん患者さんも運動が推奨されています。その基準は、毎日20~30分、1週間に150分のウオーキングと週に2回の筋力トレーニングです。とにかく動く生活習慣を守ること。そのためにも仕事は辞めず、続けましょう。

 筋トレについては、東北大や早稲田大などの研究グループがこれまでの研究結果を網羅的に分析しました。

 その結果、筋トレをすると、がんや総死亡などのリスクが10~17%低下。がんや総死亡についてのリスクが最も下がる筋トレの時間は週30~60分で、週130~140分を超えるとリスクは高い値を示しています。つまり、筋トレをやりすぎるのはダメで、ほどほどがいいのです。

 筋トレとがんの関係は十分に解明されていませんが、生理活性物質のマイオカインが関係していると考えられます。これは筋肉が収縮するときに分泌される物質で、数十種類が見つかっていて、その中には外敵から身を守る免疫力を上げたり、抗がん作用が認められたりするものがあるのです。

 がん患者さんもそうでない方も、スクワットや腕立て伏せなど適度な筋トレをお勧めします。

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