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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

全摘だと生活一変 食道がんで治療後の食生活を守る選択肢

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 新型コロナウイルスの感染予防で在宅勤務をしている人の中には、酒量が増えた人がいるようです。お酒をよく飲む人が注意したいがんというと、肝臓がんをイメージするかもしれませんが、違います。要注意は、食道がんです。

 そんな食道がんとの闘病を告白したのが、音楽ユニット「ALICE IN MENSWEAR」のギタリストKOJIさん。公式サイトによると、「5月の末くらいから物を飲み込む時に飲み込みにくくなるという違和感」があったそうで、胃カメラ検査の結果、食道がんと診断されたといいます。

 食べ物の飲み込みにくさやつかえは、食道がんの典型的な症状。HPには診断までの過程で「食道がんか逆流性食道炎の可能性がある」と書かれています。

 注意したいのは、胃酸が逆流する逆流性食道炎の症状は、胸やけやゲップ、胃痛など。逆流性食道炎で、飲み込みにくさが生じることは、まずありません。こうした症状なら、まず食道がんを疑うべきでしょうが、逆流性食道炎があると、結果として食道がんを生じやすいことが分かってきました。「たかが逆流性食道炎」と軽くみないことが大切です。

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