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安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

お尻を締めてお腹をへこませ胸を開くことが痛み解消の第一歩に

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 五十肩の原因は「肩」そのものにはないケースが多々あることを、これまで話してきました。

 私たち人間は、寝ている時以外、平均5~8キロある頭部を首の上にのせています。これは、体重の約10%を占めます。

 ボウリングの球のような頭部を支えるため、立位時の重心は体の中心を通ります。横から見ると重心線は耳→肩→股関節→膝→足関節となります。

 この重心線が崩れる原因のひとつに、上半身と下半身をつなぐ骨盤の乱れがあります。

 骨盤は、体を横から見た時に約12度前傾しているといわれています。12度を超えて前傾が増すと反り腰になり、脊椎のS字カーブが乱れます。逆に12度を下回ると骨盤は後傾になり、重心が後ろにずれ、猫背になってしまいます。

 このように肩甲骨、胸郭、脊椎、体幹、骨盤の動きは相互に関連しています。だとすると、股関節や膝など下半身の痛みや衰えでも骨盤の傾きは乱れ、しまいには肩の痛みを誘発するかもしれません。

 骨盤が傾く理由で多いのが、お尻の筋力の低下。本来、お尻は大きな力を発揮し、姿勢の保持や動作の起点となる働きをします。お尻の筋力が低下すると正しい姿勢や動作ができなくなるのです。

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