著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

「石灰沈着性腱板炎」には消炎鎮痛剤 痛みが強いままなら内視鏡手術

公開日: 更新日:

 腱板に石灰がたまることで、肩の痛みや運動制限が起こる「石灰沈着性腱板炎」は、レントゲンを撮れば、比較的容易に診断がつきます。

 たまった石灰は自然に吸収されることがあり、また、石灰が吸収されるタイミングで、激しい痛みが生じるといわれています。

 治療には、消炎鎮痛剤の内服がよく用いられます。また作用機序は不明ですが、消化性潰瘍の治療に使われるH2受容体拮抗薬の内服が、痛みと石灰の消失に効果があるとされています。

 ステロイド薬の注射もよく使われます。注射で石灰を含む腱板部分に穴を開け、石灰を腱板外に分散させて吸収を促し、ステロイド薬で消炎を図るのです。

 石灰の性状はさまざまです。体液の中に石灰の粒子が溶け込んだコロイド状のものの場合、注射時に吸引をかけると、サラサラとした白い石灰を抜き取れる場合があります。

 一方、石灰には大きくて硬いチョーク状のものもあります。この場合、吸収されず腱板に残って、肩の上げ下げ時の痛みが慢性化してしまいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも