著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

腹筋と背筋で体幹の筋力を向上させれば肩の痛み対策にも

公開日: 更新日:

 五十肩の原因を考えるとき、肩関節そのものだけでなく、肩甲骨と胸郭からなる肩甲胸郭関節の機能にも着目することが大事とこれまで述べてきました。

 ヒトの背骨を脊椎といい、頚椎・胸椎・腰椎の3つの部分からなります。脊椎には生理的な湾曲が存在します。頚椎は軽く前に曲がっています。胸椎は後ろへ、腰椎は前へ曲がっているため、全体ではS字状のカーブを描いています。

 二足歩行をするヒトにとって、S字カーブがある脊椎は、動作に応じてかかる体への負担をバネのように分散させる役割をはたします。脊椎の湾曲を支えるのは骨そのものではなく姿勢を支える体幹の筋肉です。

 私たちは地球で生きているため常に重力に抗せねばなりません。つまり姿勢を支える首や腰の筋肉には常に負担がかかっています。しかし加齢で体力が低下すると、体重を支えきれず脊椎への負担は増加します。

 たとえば腹筋が弱くなると腹圧が入らず、対をなす腰部のバランスまで崩れます。バランスを調整しようと腰背部と腹部の緊張が増し、腰椎を筋肉でガチガチにしてしまいます。すると生理的なS字カーブは崩れ、脊椎の柔軟性は低下し胸椎も硬くなるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」