著者のコラム一覧
森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

再検査と言われたら…大切なのは同じ検査をもう一度受けること

公開日: 更新日:

 クレアチニンは筋肉を動かすためのエネルギーを使うと発生する物質で、体にとっては不要なもの。通常は尿として体外に排出されますが、腎機能が低下すると血液中に残ってしまいます。

 これは血清クレアチニンと呼ばれ、腎機能の評価を行うために使用される検査の中で最も一般的に使用される項目です。

 この血清クレアチニンと年齢、性別を特別な計算式に組み込んで、出した値が推算GFRcr。なお、GFRは糸球体ろ過量の略で、簡単にいうと「体内でフィルターの役目を果たす腎臓内の糸球体が、1分間にどれくらいの血液をろ過するか」を表す数値となります。ただし血液検査で1分間の血液ろ過量を確認するのは難しいため、血液内のクレアチニンと年齢、性別からその数値を予想する推算GFRcr(GFR値)が判断の目安となります。

 なお推算GFRcrと、eGFRは同じもの。eGFRのeはestimated(推測された)の略で、読み方はそのまま「イージーエフアール」です。クレアチニン、eGFR、そして尿タンパクの値が基準値を満たさないと「腎臓の再検査を」となりますので、健康診断で指摘があったなら、まずは再検査を受けるようにしてください。再検査をしたところ異常がなかったというケースも少なくありません。心臓や脳などの馴染みのある臓器の異常とは異なり、何かと後回しにされがちな腎臓の検査異常ですが、中には1年後の健康診断でかなり状況が悪化しているケースも。ぜひ再検査をご検討いただければと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし