著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

相づちはコミュニケーションの万能薬 話し手も聞き手も気持ちよくなる

公開日: 更新日:

 話し手の役割を演じてもらう被験者には、3枚の絵のコピーを渡し、それらを材料にできるだけ面白くドラマチックな短い物語を創作してもらうように依頼したそうです。実験当日、話し手には、2人の聞き手にそれぞれ同じ物語を約10分間、話してもらいました。その上で、聞き手に対しては、意図的に相づちを多く繰り返すケースと、極端に相づちを打たないケースを設け、比較しました。

 その結果、4つのことがわかりました。

①話し手は、相づちのある聞き手を、相づちのない聞き手より好意的に評価した。
②聞き手は、自分が相づちを打った話し手を、相づちを打たなかった話し手より好意的に評価した。
③相づちの有無の違いによって変化する対人魅力特性は、感情的・社交的魅力に関係し、知的・道徳的魅力とは関係がなかった。
④対話状況においては話し手の方が、聞き手より、対人感受性が敏感であることが明らかになった。

 興味深いのは②のケースでしょう。聞き手は、相づちによってコミュニケーションを取った話し手に、より好意を感じる……これは目からウロコかもしれません。

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