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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【肺MAC症】結核と似た症状で抗菌薬を1年以上服用しなければいけないケースも

公開日: 更新日:

 最近、「肺MAC症」という感染症が増加しているといわれています。マックといえば何を思い浮かべますでしょうか。アップルのコンピューターやハンバーガーチェーン店を連想する人が多いかもしれません。

 感染症領域におけるMACとは「Mycobacterium avium-intracellulare complex」の略で、結核菌と同じ抗酸菌グループの細菌を指します。西日本にはintracellulare菌が多く、東日本にはavium菌が多いといわれていますが、性状がよく似ているため一括してMACと呼ばれています。結核菌と同じ抗酸菌のグループだけど、結核菌ではない。ということで「非結核性抗酸菌」などとも呼ばれます。

 この菌は環境中に存在していて、バスタブ、給湯やシャワーヘッドなどの入浴施設、庭園の土との接触が発症に関係しているとの報告が多くあります。そうした場所で、しぶきや霧状の水滴、土ぼこりなどが発生し、その中のMAC菌を肺に吸い込むことにより感染すると考えられています。結核菌とは異なり、ヒトからヒトへは感染しないので、この点は安心です。

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