著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【とびひ】感染力が強いので浴槽・タオル・衣類の共有は避ける

公開日: 更新日:

「とびひ」とは細菌による皮膚の感染症の俗名で、正式な病名は「伝染性膿痂疹」といいます。健康な皮膚は肌のバリアー機能によって細菌から守られていますが、虫刺され、引っかき傷、アトピー性皮膚炎などで肌のバリアー機能が低下した箇所から、黄色ブドウ球菌やA群溶血性レンサ球菌といった細菌が侵入し、皮膚の表皮で繁殖することによって起こります。

 乳幼児らに多く見られ、感染部位に水ぶくれやびらんが発生し、浸出液が固まってかさぶたができます。感染力が強く、患部に触れた手で他の部位を引っかいたりすると、火事の「飛び火」のように別の部位に症状が広がることから「とびひ」と呼ばれているのです。

「伝染性」という名の通り、手指を介した接触などによって他人に感染するケースもあります。

 伝染性膿痂疹には、幼児期に多い水ぶくれができる水疱性膿痂疹と、かさぶたができる痂皮性膿痂疹の2種類があります。いずれにしても基本的には抗菌薬の軟膏剤や内服薬で治療を行います。前回もお話ししましたが、自宅にある軟膏薬をむやみに塗ることにより悪化するケースもあるので、皮膚科を受診することをおすすめします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い