著者のコラム一覧
森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

「腹膜透析」は血液透析より自分で尿を作る力を温存できる

公開日: 更新日:

 腹膜透析は、時間をかけて透析を行うので、血液透析に比べると体への負担が少ない。そのため、心臓などに持病がある患者さんはこちらを選択することも。また、週3回病院に通う血液透析と比べると、自由な時間が多く持てます。

 患者さんから「腹膜透析ファーストってなんですか?」と質問されたことがあります。

 腹膜透析は、血液透析と比較して自分で尿を作る能力を温存することができます。そのためまず腹膜透析から始めて、できるだけ尿量(残った腎機能)を保つことを目標とする。その後、腎機能がさらに落ちてきたなら血液透析に移行する。そういう考え方が腹膜透析ファーストです。腎機能低下スピードがゆっくりな患者さんに、ライフスタイルとの兼ね合いで適していると判断された場合に病院から提案されることが多いです。

 高齢の患者さんに透析が必要になった場合は、体の負担を鑑みて血液透析を行わず腹膜透析を選択することも。透析医療の終末期のひとつの手段として、「腹膜透析ラスト」という選択が取られることもあります。

 私のクリニックでは透析をしていませんが、透析にならないために受診している患者さんから「人工透析になったから、もう終わりだ」と言われることがあります。

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