著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

「月10回以上、市販薬を飲んでいる」は明らかに飲みすぎ

公開日: 更新日:

 前回、前々回と2回にわけて市販の頭痛薬の服用のコツをお伝えしてきました。「じゃあ、市販薬と病院で処方される薬はどう違うの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、病院で処方する頭痛薬についてお話ししたいと思います。

 私が「自分は慢性頭痛だ」と思っている方に、なるべく早く頭痛を専門に診る医療機関の受診をお勧めするのは、市販の頭痛薬の飲み過ぎを防ぐ意味もあります。月に10回以上、市販薬を飲んでいる──。それは明らかに「飲み過ぎ」で、依存症も心配されます。

 そうなる前にぜひ頭痛専門の医師の診察を受けてください。「近所の内科じゃダメ?」と思う方もいるかと思いますが、そういった場合は往々にして医師処方の痛み止めを処方されがちです。頭痛の根本的原因を解消していませんし、それでは市販薬を服用するのと変わりありません。

 頭痛を専門に診る病院で出される片頭痛解消の薬の代表例としては「トリプタン製剤」があり、これは市販薬にはありません。

 ではトリプタン製剤は、片頭痛にどのような作用があるのか。それは「片頭痛が起きた際に、異常に広がった脳血管の拡張、むくみを抑える」「脳血管の拡張によって刺激を受けた脳血管周囲の三叉神経に働いて、三叉神経からの神経炎上物質の放出を抑える」「脳幹部にある三叉神経の大もとの三叉神経枝にもある程度作用し、脳への痛みの情報伝達を遮断する」などがあります。なお、三叉神経とは、顔の感覚を脳に伝える神経のことです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」