「ゆらぎ」で疲れない体を手に入れる…自律神経が整えられる

公開日: 更新日:

「われわれが生活している都会は非常に規則的で、ゆらぎを排除する方向で発展してきました。たとえば、オフィスビルにある職場は窓が開かないことも少なくないですし、温度も湿度も照明の明るさも一定です。そんなゆらぎがない環境で仕事を続けていると、疲労がどんどん蓄積していきます。毎日のように同じパターンで同じ行動や作業を続けている場合はなおさらです」

 かつて梶本氏は「ゆらぎがある環境」と「ゆらぎがない環境」で、仕事の効率や疲労の程度がどう変化するかを調べる実験を実施している。

 9人の被験者に2種類の環境下で4時間にわたってクルマの運転をしてもらい、主観的疲労感(眠気、体感湿度)と客観的疲労度(疲労因子FF、自律神経による疲労評価、作業効率、機能検査)を測定した。

 その結果、最適な温度で固定した環境よりも、常にゆらぎを与えた環境のほうが疲労感が少なく、作業効率の低下も抑えられることがわかったという。

「職場でも自宅でも、長時間、同じ場所にいるときはなるべく窓を開けて風を通しましょう。それだけでゆらぎが生まれ、疲れにくくなります。また、集中力が低下して仕事や作業に『飽きた』と感じたら、疲労がたまったサインです。これ以上、脳の同じ部分を酷使させないために、脳が自覚させようとしているのです。そんなときは、いったんデスクから離れて社外を散歩したり、外出できない場合は社内を歩き回ったり、窓から遠くの景色を眺めたりして、同じ作業を続けないようにしましょう。自分でゆらぎをつくって疲労をたまりにくくするのです」

 疲労が蓄積されにくい生活を送っていると、質の高い睡眠がとれてさらに疲労は解消される。ゆらぎを活用すれば、疲れない体が手に入る。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因