歯の治療を受けるならクスリに注意(4)【ステロイド剤】感染やショック症状を起こすリスクあり

公開日: 更新日:

 そうした口腔内トラブルを防ぐため、ステロイド剤を長期服用している患者の歯科治療では、細菌を殺す抗生物質をしっかり服用することが重要で、外科的処置を行う際は抗生物質を通常よりも長い期間飲んだり、治療の前に抗生物質を予防投与するケースもあるという。こまめに通院して頻繁に消毒を実施する場合もある。

 また、ステロイド剤の長期服用は、ストレスの影響を軽減する作用がある副腎皮質ホルモンの分泌を抑制する。そのため、歯科治療で受けたストレスによってショック症状を起こし、発熱、嘔吐感、筋肉痛、血圧の低下といったトラブルが生じるケースがある。

「そうしたショック症状を防ぐために、事前にステロイド剤を追加して通常よりも少し多めに服用する『ステロイドカバー』が必要になるケースもあります。その場合、ステロイド剤を処方している主治医と連携したうえで歯科治療を行います。自己判断でステロイド剤を休薬したり、増量するのは持病を悪化させる危険があるので厳禁です」

 より安全に歯科治療を実施するためには、その患者がどんな薬を飲んでいるかを歯科医がきちんと把握することが欠かせない。虫歯や歯周病を治療する前には、自分が服用している薬について、必ずきちんと伝える必要がある。 =おわり

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る