お腹を切らずに治す大腸がんの内視鏡治療「ESD」…第一人者が解説

公開日: 更新日:

「ただ、ESDは消化器がんの内視鏡治療の中で最も技術的難易度が高い。そのため、理論上はESDの適応であっても、がんの大きさ、場所などで技術的に困難ということは珍しくありません」

 大腸憩室にできたがんでは穿孔(穴が開くこと)の危険がある。一度内視鏡治療を受けた場所に新たにできたがんでは組織が線維化しており切除が非常に難しい。がんの位置によっては、内視鏡を病変までたどり着かせること自体が困難というケースもある。

「それらのハードルをクリアできるかは、内視鏡医や内視鏡チームの技術力にかかっている」

 つまり大圃医師の内視鏡チームではESDが可能でも、別のところでは「技術的に困難。手術にしましょう」となるかもしれないのだ。

「リンパ節転移があるなど理論的に適応外であれば、それに従うしかありません。しかしもし『内視鏡(またはESD)では大きすぎて危ない、穿孔の可能性が高いから危ない』という説明であれば、“理論的には適応。技術的に非適応”ということかもしれません。当院含め最近はオンラインセカンドオピニオンもできる施設も増えています。内視鏡写真があればかなりの精度で判断できるので、そういった手段を取ることもお勧めします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも