お腹を切らずに治す大腸がんの内視鏡治療「ESD」…第一人者が解説

公開日: 更新日:

 大腸がん胃がんは、がんの中でも患者数が多い。これらは早期の場合、内視鏡による切除という治療選択肢がある。外科手術と異なり臓器を残せるので体への負担が少ないが、「内視鏡切除が可能なのに、残念ながら外科手術となっているケースが多々ある」と言うのは、NTT東日本関東病院消化管内科部長、大圃研医師。代表的な内視鏡治療法、ESDの第一人者である大圃医師に話を聞いた。

 大圃医師は、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の黎明期から技術の習得・鍛錬に取り組み、率いる内視鏡チームのESD症例数は年間1000件以上と世界最多ともいわれる。ESDの入院期間は、大腸がんの場合一般的に9日とされるが、大圃医師の内視鏡チームの大腸がんESDでは、その技術力ゆえに患者の状態によっては日帰りで行っている。

 そんな大圃医師によれば、「(他院では)技術的な問題でESDが行われていないケースがある」。まずはESDがどういう治療かについて説明しよう。

 早期消化器がんの内視鏡治療はESDのほか、ポリペクトミーやEMR(内視鏡的粘膜切除術)がある。ポリペクトミーは、内視鏡の先端に取り付けた金属製の輪(スネア)を、がんの茎やくびれ部分に引っ掛けて切除する。EMRはがんの下の粘膜下層に生理食塩水などを注入し、がんを浮かび上がらせ、そこにスネアを引っ掛け、高周波電流を流して切除する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり