著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「点耳薬」はクスリが冷えた状態で絶対に使ってはいけない

公開日: 更新日:

 みなさんの中には、「点耳薬」を使ったことがあるという方もいらっしゃるでしょう。また、今後もしかしたら使用することがあるかもしれません。今回はそういった時に役立つ情報だと思いますので、ぜひご一読ください。

 点耳薬は、その名の通り「耳に入れるクスリ」を指します。使い方には「点耳」と「耳浴」と呼ばれるものがあります。点耳はクスリを耳の中に入れて2~3分程度、耳浴は10分程度維持する方法です。

 点耳薬にはいくつか種類がありますが、抗菌薬の成分のものが使われるケースが多く、外耳炎や中耳炎といった細菌感染が原因となる疾患を治療します。また、耳の手術後の感染予防として用いられることもあります。内服薬と違って直接患部にクスリの成分を到達することができるというのが最大のメリットです。点耳や耳浴が終了した後は、耳の外に流れ出たクスリをきれいなティッシュペーパーなどで拭き取ります。

 点耳薬は外用剤に分類されるため、内服薬のような全身性の副作用は起こりにくく、比較的安全に使用することができるクスリです。ただ、副作用がまったくないわけではないので、使用中に何か異変を感じた場合にはすぐに医師または薬剤師に相談するようにしましょう。また、症状が落ち着いているからといって自己判断で点耳を中断することはせず、必ず主治医の指示に従うようにしてください。

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