乳がん手術で乳房を失った…「乳房再建」の前に知っておきたいこと
同提言では、「医療者から乳房全切除(全摘)を行う患者に再建の選択肢を情報提供することを強く推進する。乳腺外科と形成外科の連携を主としたチーム医療を推進する」と掲げられているが、まだまだ浸透は浅い。
乳房再建は、乳がん摘出の手術と同時に再建する「1次再建」か、摘出後しばらく期間をあけてから行う「2次再建」がある。さらに、一回の手術で再建を完成させる「1期再建」か、エキスパンダーという組織拡張器を一定期間入れて皮膚が伸びてから再建させる「2期再建」に分けられている。つまり、乳房再建のタイミングは、時期や回数の組み合わせで4通りある。
「手術を一回で終わらせたい方では、乳がん摘出時に再建を完成させる『1次1期』が向いているでしょうし、乳房再建の方法である自家組織かインプラント(人工物)かで迷っている方では、初めの選択としてエキスパンダーを入れ、皮膚が伸びるまでの期間にどちらにするか決める『1次2期』がよいでしょう。乳がん手術時は再建を選ばなかった(選べなかった)としても、その後『やはり乳房があった方がいい』となったら『2次再建』という選択肢があることを知ってもらうことは大切です」