著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「自由な時間」がありすぎると幸福度が低下する

公開日: 更新日:

 では、5時間を超えるとどうなるのか? なんと、自由な時間がありすぎるとかえってストレスが増加し、幸福度が低下し始めることが突き止められたというのです。

 なぜ自由時間が多すぎると不幸せになるのでしょうか。この問いに対して研究チームは、「時間の使い方が原因」だと説明しています。

 分析したところ、自由時間が多すぎると、その多くが「非生産的な活動」に費やされていることが示されたそうです。例えば、時間があるあまり、だらだらとテレビを見てしまったり、SNSを目的もなくスクロールするなど、「時間を無駄にしているような過ごし方」をした場合、自己肯定感にネガティブな影響を及ぼしてしまう--。そのため、幸福度が低下してしまったというわけです。使える時間がありすぎると、非生産的な時間を過ごすようになり、それが自己嫌悪につながってしまうことが示唆されたのです。

 この悪影響は、時間の使い方を変えることで軽減できることが、シャリフらの別の研究で示されています。増えた余暇時間を、運動や趣味など、「意味があると思えることに充ててください」と条件を加えて、別途調査したところ、自由時間が長くなっても主観的な幸福度は低下しないことが明らかになったといいます。要するに、自分が豊かになるような時間をつくり出すことができれば、時間の質は高められるということ。時間があるときは、運動や勉強といった時間にチェンジすればいいのです。

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