「点滴」の針を刺す場所はさまざまな理由により決められる
病気の治療のために「点滴」が必要になるケースがあります。点滴の中にクスリを入れることもありますし、脱水や栄養不良などで点滴そのものが治療になることもあります。
点滴はクスリを直接血管内に投与するため、一般的に内服や外用よりも効果が高く、即効性もあります。さて、みなさんは点滴というと体のどこに針を刺して投与するイメージでしょうか。今回は「点滴のルート確保」についてお話しします。
点滴のルートは静脈に確保されます。静脈は大きく分けて、血管の細い末梢静脈と太い中心静脈があります。まずは末梢静脈でのルート確保についてです。
検査で採血するとき、多くの場合は肘の関節のあたりの静脈から行いますが、点滴は違います。点滴のルートを確保するとき、肘の関節のところに処置すると、日常生活に支障が出てしまうのです。
点滴のルートは最低でも数時間、場合によっては数日留置された状態になります。それが動きのあるところにルートを確保すると、長時間動かせなくなってしまいますよね。そういった状況を避けるために、点滴のルート確保は動きが少ないところにされることがほとんどなのです。一般的には、肘と手の間の静脈に確保され、実際に思い当たる方も多いでしょう。


















