著者のコラム一覧
酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

寝たきりになった男性はどのように人間力を回復したのか(3)

公開日: 更新日:

 その頃、夫はさらに回復して、自宅では杖を使ってひとりで歩けるようになり、食事も普通にとることができるようになっていました。さらにその後、杖を使わなくても少し歩けるくらいまで回復し、周囲に驚かれるほどでした。

 しかし突然、予期せぬ事態に見舞われます。2022年9月、新型コロナウイルスに感染してしまったのです。2週間ほど大学病院に入院して治療後、民間病院に移って約10日間のケアが行われました。ちょうどコロナが猛威を振るっていた時期だったためどこの病院もいっぱいで、転院先がなかなか見つからなかったことを覚えています。

 転院先では、全身が弱ってしまった状態から回復させるためのリハビリもほとんど実施されることはありませんでした。そこで、それまでお世話になっていた小規模多機能型居宅介護施設にショートステイで預かっていただくことになりました。そちらでリハビリを行って日常生活を送れるくらいまで回復してから、自宅に戻ることになったのです。

風邪からの肺炎で再び寝たきりに…


 さらに2024年5月、2度目の新型コロナウイルス感染で2週間ほど入院となり、続いて今年の4月には一般的な風邪から肺炎を起こして大学病院に入院し、またもや寝たきり状態になってしまいました。今回も経鼻経管栄養のチューブが挿入され、治療後はそのままリハビリ病院に転院となりました。

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