温暖化で相次ぐサメ出没 現実味帯びる映画「ジョーズ」の世界
映画「ジョーズ」の世界が現実となるのか――。
静岡県焼津市の沖合でシュモクザメ2匹が泳いでいるのが目撃され、10日、2つの海水浴場が遊泳禁止になった。先週7日には、茨城県鉾田市周辺の沖合で16匹のサメが確認されている。鹿児島でもシュモクザメ1匹が見つかった。今年に限って日本で目撃が相次いでいるような気がするが、一体なぜなのか。北大名誉教授でサメの生態に詳しい仲谷一宏氏に聞いてみた。
「暖流が勢力を増すと南方からサメが上がってきます。そのため、この時期、静岡や茨城での目撃は不思議ではありません。今後、全国各地でサメで出没するようになってもおかしくないのです」
温暖化の影響で、毎年恒例化しそうなのである。
「北の海域や深海にいる種類もありますが、大部分は熱帯地域に生息しています。海水温の上昇で生息場所の変化が起きているかもしれません。サメはエサを追いかけて回遊しますが、エサとなる魚類なども水温の変化で移動していると考えられます」(北大名誉教授の尼岡邦夫氏=魚類学)