頭が働くのは50代半ばから 脳の「出力性能」上げる3つの条件
一生のうち、最も頭がよく働くのは50代半ばから――。人工知能の研究で導かれたこんな理論が注目されている。人の脳の出力性能が最大になるためだという。
「生まれてから最初の28年は脳は『入力装置』の役割を果たします。試験勉強や仕事を覚えるといった単純記憶の機能です。次の28年(28歳以降)で、脳は回路の優先順位を付けていきます。脳の回路が成功や失敗を経験し、何が重要か判断できる力を付けていきます。そして、次の28年(56歳)から84歳の間に脳は出力性能を最大にすることが分かっています。瞬時に正解が分かるのです」
こう解説するのは、「感性リサーチ」代表取締役社長の黒川伊保子氏だ。
このデンでいくと、定年間近のサラリーマン世代こそ、脳の働きが人生の中で一番活性化し、今まで以上の活躍が期待されることになる。黒川氏によると、出力性能を上げるためには次の3つの条件が必要だという。
(1)睡眠の質を上げる
「毎日お酒を飲んで夜中よく眠れない状態だと、性能が上がっても“出力”できません。夜中24時をはさんだ22時から26時の4時間は、脳はさまざまなホルモンの分泌計画を練り、重要なホルモンを出すのです。この時間にぐっすり寝ていないとホルモンバランスを崩します。また、眠りに入ると、失敗や成功の脳への書き込み、運動センスや知識の書き込みができるので、眠りが上質であることは重要です」