三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2017年、旭日小綬章受章。

閉塞感が蔓延…「異邦人」の主人公を生み出す現代の日本

公開日:

 何の罪もない人を平然と殺す事件が相次ぎ、ふと、中学生のころに読んだフランス人作家アルベール・カミュの「異邦人」を思い出した。

 当時はカミュやサルトルの本を読む中高生が多く、不条理とか実存主義とかにかぶれたものだ。

「異邦人」の主人公ムルソーは、母親の死にも無感情で、アラブ人を殺害した動機について「太陽がまぶしかったから」と言い放つ。この感覚は、新幹線のぞみ号で3人を殺傷した小島一朗容疑者や、交番を襲撃し2人を殺した島津慧大容疑者と同じだろう。

「異邦人」が書かれたのは1942年。フランスはドイツに占領されていた。努力をしても結果が得られない時代だ。若者は希望が持てず、先行きが見えない絶望感に支配されていた。

 だからカミュは、人を殺したところで罪の意識を持たない若者を描いている。

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