自分のキャリアは自分で決める 会社には寄り掛からない
終身雇用の日本企業で働く人はマラソンランナーのようだが、国際競争能力は高くない。個人の能力は「年数を積んだ分だけ上がる」が、イノベーションスピードが速いため、単体の分野だけでは収益貢献が薄い。今の時代はエンゲージメント(仕事への熱意)が低いため、個人の能力は横ばいか衰退している。
さらには、個人にキャリア意識がない状態で、職と配置を替えるだけのジョブローテーションをしているため、底の浅い能力レベルの職業人が量産化され、個人の能力はどんどん「下振れ」傾向に向かっている。
では、個人が奮起できる、個人主体の働き方とは、どのようなものか?
元グーグル人事出身者は「ニューエリート」を「新しい価値を生み出し、世界を変える人たち」と定義している。欧米の働き方では、会社が従業員のキャリアプランを握っているのではなく、個人が「自身のキャリアプラン」を持っていることが前提となっている。そこが日本企業との大きな違いだ。
日本の大企業に勤務すれば、安定した生活は維持しやすいが、従業員は組織の“コマ”であるため、希望に沿った自己成長は思うように促せない。多くの起業家や転職者が経験しているように、自己成長に必要な要素とは、「自身の明確な人生観やキャリアビジョン」「そこにたどり着くための道筋シナリオ」を持っていることが重要だ。