川又幸彦さん<4> 「ツカサ」の名前の由来は焼酎だった

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「息子さんが学校に来ない」と言うのです。

 私は朝、いつも通りに登校します。しかし、行き先は近所の公園。そして午後4時くらいになると、何食わぬ顔で帰宅する。母は、私が元気に登校しているものだと思っていましたから、学校からの呼び出しは寝耳に水でした。

 私はこっぴどく叱られるかと覚悟しましたが、母は何も言いませんでした。それどころか、あれほど繁盛した居酒屋をすぐに畳んでしまったのです。私が一人息子ということもあるでしょうが、常に子供を第一に考える母でした。近所では司さんで親しまれてましたから、そのまま司建物管理にしたわけです。

 そんな母は、大正8(1919)年、栃木県のある町で最も貧しい家の長女として生まれました。きょうだい7人を食べさせるため、16歳で東京に女中奉公に出ます。ところが、学校を出ていないばかりに給金に差をつけられ、普通なら妥協するところですが、気丈な母は奉公をやめ、年を18歳と偽って女ひとりで朝鮮に渡ります。さらに、そこから南満州鉄道に乗って満州の奉天市に向かいました。途中、憲兵に見つかって戻されそうになったのですが、必死に「家族を食べさせなくてはいけない」と懇願したところ、この憲兵ができた人で、「いったん朝鮮に戻れば、その間に私がいい店を探しておく」と約束してくれたのだそうです。

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