曽我和弘
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曽我和弘

大学卒業後、ゴルフ雑誌や米国医学雑誌の編集を経て、あまから手帖社に入社。一貫して雑誌畑を歩む。99年にクリエイターズ・ファクトリーを設立。食分野を中心に取材・執筆のほか、食文化の継承や食の流行を作ったりと多方面で活躍。JR大阪駅構内などの飲食店もプロデュース。駅ナカビジネスの仕掛け人とも呼ばれる。現在は大阪樟蔭女子大で講師も務め、関西食文化研究会座長でもある。

喜作(大阪・肥後橋)そば屋らしい酒の肴の“名物”を

公開日: 更新日:

 我が友人の食通が誘ってくれた肥後橋のそば居酒屋「喜作」は、なかなかの活況を呈しており、サラリーマンらが会社帰りに集って一杯やる姿が印象的。同店を営む池敏彦さんは、年季の入ったそば職人で、堂島のそば居酒屋で働いた後に独立して肥後橋で店を持った。

 当初はビルの地下でやっていたが、路面店である今の所に18年前に移ったそうだ。池さんは「青々としたそばを打ちたいが、うまくいかない」と言い、長々やっていてもそばの難しさを語っている。北海道幌加内のそば粉だけでは白っぽくなるので、長野のそば粉をブレンドして使っているという。「こうすると、色も香りも出て食感のあるそばに仕上がる」と話す。

 俗にそばは練り十年、のし三年、切り三年といわれるように、こねるのが一番難しいと教えてくれた。

 昼はざるそば定食(850円)やざるうどん定食(800円)などだが、夜になると、いろんな酒の肴が加わり、居酒屋仕様になっていく。中でもユニークなのが“名物”(580円)と名づけられた料理。豆腐を柵切りにし、菊花のように開いて山芋をかけたものだが、なぜに“名物”と名乗るのかを問うと、「ざるそばのつゆをかけて出しているから」の答え。そば屋らしく、ここにしかないつゆなので「喜作名物」が転じてそうなったのだとか。そばのつゆは、関西風より少し濃い。かといって関東風までは辛くはない。

 やはりそば屋だけに居酒屋タイムになってもそれで仕上げて帰る人が大半だとか。夜のメニューは下足塩焼きやくじらベーコン、牛ミスジステーキなど。そば屋の玉子焼き(550円)やいわしの煮付け(420円)もぜひ食したい一品だ。

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