三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2017年、旭日小綬章受章。

映画「新聞記者」に関わったすべての人が示した勇気の尊さ

公開日: 更新日:

 先週、渋谷の映画館で「新聞記者」を見た。権力によるメディア支配を描いた社会派サスペンスだ。作品の出来には物足りなさも感じたが、安倍1強といわれる今、政治の暗部にメスを入れた勇気に拍手を送りたい。

 映画の原案になったのは、東京新聞の記者・望月衣塑子さんのベストセラー「新聞記者」だ。これは、ご自身のこれまでの記者人生を振り返った自伝である。一方で映画は著書を下地にしたフィクション。現実の疑惑や事件は一切登場していない――ことになっている。ただ、国家による情報操作、レイプ被害者の会見、官僚の自殺など、見る側に「あのことだろうなあ」と想像させるシーンは数多い。

 最も印象に残ったのは、医療系大学の新設に絡んだ疑惑だ。映画では、生物兵器を造るために設置がごり押しされたことになっている。ナチスの研究に取り組むわけで、さもありなんという感じがしてくるから不思議だ。なぜ彼の友達の学校が関門をスルスルとくぐり抜けて認可されたのか、本当の理由は今なお明らかになっていない。疑惑はくすぶったままだ。この映画を見ると、すべてがフィクションなのかと考えさせられる。

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