三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

当たり前の発想? 伝統よりも新しさを評価する西洋の原点

公開日: 更新日:

 その昔、旧東ドイツの小さな町にいる日本人指揮者から現代音楽の作曲を依頼されたことがあった。彼は世界中の作曲家に依頼していて、現地で演奏するための費用も自治体が出していた。当時、向こうは失業率が70%ぐらいだったか。それでも税金で音楽を支えていた。

 もっとも、実際に訪れてみると会場はガラガラで、オーケストラと同じぐらいの人数しか入っていない。それもそのはずで、毎回、新しい楽曲を演奏するから、客はついてこられなかったんだ。それでも新しい曲を演奏することに意味があるという考え方で、聴衆はゼロでも構わないというのだから驚いた。

 もっとも、これは西洋では当たり前の発想だ。ドイツや英国では、演奏の何%かは現代音楽を入れなければならないという決まりがある。常に新しい切り口を見せることを求められているんだね。

 数年前、デンマークのレストラン「ノーマ」の料理が世のグルメたちに衝撃を与え、世界で最も予約の取れない店と呼ばれた。苔とか土を使ったり、肉を使わないなど、今までにない食体験を提供して、大いに受けた。料理の新しい世界を切り開いたと評価されたんだ。行った人の話を聞くと、決してうまくはなかったらしいけどね。

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