横国は2次試験なし コロナ禍の受験は国立大に入りやすい?

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 今年はコロナ禍で運動部の県大会や文化イベントが軒並み中止となり、総合型選抜(旧AO入試)の出願資格者が激減した。11月には学校推薦型選抜が始まるが、人気大学には受験者が殺到するだろう。「大学入学共通テスト」も始まったことだし、大逆転で国公立大に入れるチャンスも増えている。

  ◇  ◇  ◇

 大学入試センターが2021年度の大学入学共通テストの出願者数を公表した。53万5244人で、前年度より2万2455人少ない。特に浪人生(高卒生)は昨年比2万人も減って、上位国立大の倍率は低くなるとみられている。

■ワンチャン狙いなら「横浜国立大」

 そんな中、横浜国立大学に注目が集まりそうだ。横国大はコロナの影響から、21年度の一般選抜の個別学力検査(2次試験)を教育学部を除いて実施せず、共通テストの結果と自己推薦書で合否を決める。教育学部は通常、集団面接と小論文(または実技検査)の試験もあったが、音楽の演奏動画などの課題やリポートなどの提出に変更となる。

 理由は、例年前期・後期合わせて7500人超の出願のうち、県外からの受験生が5000人に上るためだ。感染予防のための苦肉の策だが、どうなるか――。

「横国大は共通テストのみの成績となったので、まったく対策していなかった学生も合格する可能性が出てきました。2次試験の偏差値(62・5)に届かなかったり、地元の国公立を目指していた学生も十分チャンスがあります」(大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治氏)

 今年から始まった共通テストはセンター試験と異なり、気になった日の受験日を選べる。コロナ禍も相まって3つも日程が用意されている。初回は1月16~17日、2回目は同30~31日、そして特例追試験(2月13~14日)だ。

 第2日程を選んだ学生は、第1日程のテスト内容を見て対策することもできるので有利かも知れない。

「しかも、国公立大の試験の場合は感染状況によって、急きょ2次試験を中止する可能性もあります。北海道大学は今年3月に大学職員に新型コロナウイルスの感染者が出たことから、後期日程試験を中止し、大学入試センター試験の成績のみで合否判定をしました。感染者が出なくても、コロナ禍で一般選抜の試験が中止になる可能性があり、その時は共通テストの成績だけで判断されると考えられます」(安田賢治氏)

 感染者は出ていなかったが、今年は埼玉県立大学、旭川医科大学、高知大学など8校が相次いで後期日程を中止したことから、来年度も同様の現象が起きてもおかしくない。2次対策をしていなくても、難関大に入れるチャンスに恵まれるかもしれない。

全国志願者ランキング上位校が穴場

 ①の表は、2020年度の国公立大学の一般入試志願者上位ランキング(文科省発表)だ。1位の千葉大は全国から1万人超の志願者が集まった。北海道大、神戸大、東大と続いている。

「今年は受験勉強がままならない上、コロナ禍で例年以上の地元志向、安全志向が強まっている。他県からの受験者が集まって来ない分、地元の高校生が地元の国公立大に行くチャンスは広がるでしょう」(安田賢治氏)

 また、大学、学部や学科を新設する国公立大も少なくない。金沢大学(石川県)融合学域先導科学類は、法学や経済学などの文系と機械工学などの理系をバランスよく学べるもので、新規に55人を募集する。岐阜大は社会システム経営学環(30人募集)などがある。

 新設の新潟県の三条市立大は工学部技術・経営工学科(80人募集)、叡啓大(広島県)はソーシャルシステムデザイン学部(100人募集)がある。

 これらを狙うのもありだ。

「出題範囲」を減らした大学を探す

 萩生田文科相が、高校の休校による授業の遅れなどから、「出題範囲の制限」を指示している。そこで国公立大の7割は個別範囲を調整している。まだ出揃っていないが、例えば、京都教育大は〈数Ⅲは教科書で「発展的な学習内容」と記載されている内容からは出題しない〉、普通の学生は入れないが、東京医科歯科大は〈数学では発展的な問題は出題しない。物理では物理基礎と「原子」を除く。化学では化学基礎と「高分子化合物と性質の利用」を除く。生物では生物基礎と「生体と環境」を除く〉と、大学によって対応はさまざまだが、学習の進捗に合わせて志望校を選べば合格率もアップする。

 また、②の上表の「主要国立大、私立大の2020年志願者数」(大学通信調べ)を見れば、旧7帝大や受験生人気ランキング上位の私大が昨年は軒並み志願者数を減らしたことが分かる。

「受験者数の減少から考えて倍率は今年と大きく変わらないと思います。今年出願者が少なかった大学を選ぶのもありでしょう」(安田賢治氏)

 運も実力のうち。思うように勉強が進んでいないわが子も、一発逆転できるかもしれない。 

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