上昌広氏「GoTo再開はあり得ない」断言 夏・冬に感染拡大
新型コロナウイルスのワクチン接種がようやく始まったばかりで、PCR検査態勢の拡充もままならない。新規陽性者は減りつつあるものの、政府や東京都が「下げ止まり傾向にある」「予断を許さない状況」などと注意喚起をしている中、やや気が早いのではないか。
新型コロナの感染拡大に伴い全国で停止中の観光支援事業「Go To トラベル」をめぐり、再開する場合には1人1泊2万円の補助上限を減額する案が政府内で浮上している、と報じられたことだ。
トラベル事業は旅行代金の35%を割り引き、15%分は買い物などに使える地域共通クーポンとして利用者に配る。補助額の上限は1人1泊2万円だが、政府内では上限を1万円に見直し、さらに段階的に引き下げる案や、5000円に大幅減額しつつ期間を秋から年末まで延長する案が出ているという。
オーストラリアや台湾のように、新型コロナが封じ込められている状況であれば、「Go To トラベル」を再開しても構わないだろうが、日本医師会の中川俊男会長は昨年、「Go To トラベル」が新型コロナが全国に感染拡大する「きっかけになったことは間違いない」と断じていた。今、慌てて始める必要があるのか。そもそも「減額」云々の問題ではないのだ。少しばかり落ち着いてきたからとはいえ、見切り発車で「Go To トラベル」を再開すれば昨夏の二の舞になりかねない。