髙橋裕樹
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髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

紀州のドン・ファン元妻逮捕 もう一つの焦点は遺産の行方

公開日: 更新日:

「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏が不審死した事件で、元妻の須藤早貴容疑者(25)が殺人容疑で逮捕され、騒ぎが続いていますが、僕はもう一つの問題点にも注目しています。野崎氏の遺産の行方です。

 野崎氏は生前「全財産を田辺市に寄付する」という遺言を残したとされています。田辺市は遺贈を受け取ることを決め、裁判所により選任された遺言執行者の弁護士により、野崎氏の遺産の2分の1が田辺市に、そして残り2分の1が遺留分侵害額請求を行った妻に渡される流れになっていました。

 しかしこれに対し、野崎氏の兄ら兄弟が、遺言は野崎氏が作成したものではないとして、遺言無効確認の訴訟を提起しました。もし、遺言が無効であれば、田辺市は遺産を受け取る資格を喪失します。

 そして、遺言がない相続になりますので、法定相続分に従い、元妻が遺産の4分の3、兄弟らが残り4分の1を案分することになりますが、今回の元妻の逮捕により遺産分割がさらに複雑になってしまいます。なぜなら元妻が野崎氏を殺害したとして有罪判決が確定すれば、元妻には相続欠格事由(民法891条1号)、すなわちそもそも相続人になる資格がないということになります。もし元妻が相続欠格になった場合、遺言が有効であれば、兄弟には遺留分はないので遺産全額が田辺市に入ります。一方、遺言が無効であれば、遺産全額を兄弟で山分けということになります。

 元妻が犯罪事実を認めるか、起訴するに十分な証拠があるか。そこが騒がれていますが、刑事事件がどうなるかだけでなく、裏にある遺産分割にも注目していただければと思います。

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