"10分前の予告"でパレスチナ人を精密爆撃するイスラエル軍

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 イスラエル軍がパレスチナ自治区のビルを爆撃したことが大きく報じられた。ガザ地区ガザ市の中心部にあるこのビルには、アル・ジャジーラやAP通信などメディアの支局が入居していたことから世界中のメディアが取り扱ったのだ。

 今回、イスラエル軍からビルのオーナーに退避勧告が10分前にあり、戦闘機がピンポイント爆撃。2秒でビルは倒壊したとされる。連絡は爆撃の1時間前だったとの報道もあるが、ともかく事前になんらかの一方的な連絡があり爆撃がなされている。

 長年イスラエル、パレスチナを取材してきた藤原亮司さんは「これほど大きな攻撃は2014年以来」と話す。

「09年と14年もハマス(ガザ地区を実効支配するイスラム組織)やイスラム聖戦(ガザの武装組織)が影響力を持つガザ市の東部エリアをイスラエル軍は爆撃によってブロックごと“面”で破壊しました。今回どのように退避勧告の連絡があったのかは報道からはわかりませんが、その時は、住民のパレスチナ人の携帯電話に突然、知らない電話番号から電話やSMS(ショートメッセージ)で退避勧告のメッセージが来ていました。これのことでイスラエル軍は『人道的』な行動をとっているという理屈をとっているわけですが、連絡が来たところで、子どもや寝たきりの人など逃げられない人が当時はいました」

イスラエルはハマスの人間がどこに住んでいるか熟知

 日本ではせいぜい地震警報のメッセージがスマホに入るぐらいだが、あまりにも置かれている立場が違う。爆撃したメディアビルの中にハマスの情報機関があったとイスラエル側は説明したとも報じられている。

「イスラエルには、コラボレター(パレスチナ人のスパイ、協力者)もいるし、偵察用ドローンも使っているので、ハマスの人間がどこに住んでいるか、家族関係はどうなのか熟知しています。爆撃の精度も高い。14年にハマスの軍事部門トップのムハンマド・ディーフの住宅ビルを爆破したときには、隣のビルをほぼ壊さずに爆撃していましたから」(藤原さん)

 藤原さんは日本時間17日午前5時に現地のパレスチナ人と電話で話し、様子を聞いたという。

「イスラエルとの境界に近いシュジャイヤ地区に暮らすサミールと話しました。彼は攻撃が始まってからは、家族とともに自宅から2キロメートルほど離れたガザ市中心部に近い場所に避難しているそうです。イスラエル軍の砲撃を避けるためです。砲撃では地区全体が狙われるからです。一方、F16戦闘機からのミサイルは、ターゲットを狙っているのであまり心配はしていないそうです。『イスラエル軍は優秀だからあまり外さないんだよ』と皮肉を言って笑っていました」

 事前予告をし、いくら精度が高くても一般住民が巻き込まれるのは否めない。

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