インド株感染は7月爆発!水際対策また後手後手で同じ過ち

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独自集計で8都府県27人「陽性」拡大

「インド株は水際ではかなり確認されてますけど、国内の発見例は今のところそれほど多くない状況だ」――。23日のNHK日曜討論で加藤官房長官は淡々と語ったが、鈍すぎる危機意識にア然とする。英国株の1.5倍の感染力を持つインド株は国内でもみるみる広がっており、早晩、流行の主流になる恐れがある。

  ◇  ◇  ◇

 41日間で実に160人。初確認された3月28日~5月7日の間に、空港検疫で見つかったインド株の陽性者数だ。同じ検疫で英国株の陽性者は初確認から48日間で43人。増え方はケタ違いだ。

 空港検疫以外の国内感染例も次々と確認されている。厚労省によると17日時点で11人。日刊ゲンダイが報道を基に18日以降の確認分も含めて独自に集計すると、23日までに東京5人、埼玉1人、神奈川3人、千葉6人、静岡5人、大阪2人、兵庫2人、鹿児島3人の計8都府県27人に上る。

 中には市中感染の疑いも。東京4人、埼玉1人、千葉4人、大阪1人は海外渡航歴がなかった。大阪の吉村知事は「大阪で市中感染が生じている可能性がある」と警戒している。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「今のところ、空港検疫以外のインド株の検査はごくわずかです。それでも南は鹿児島まで8都府県で確認されたのは市中感染がそれなりに広がっているとみていいでしょう。水際対策が後手に回り、失敗した結果です。変異株が流行していたインドからの渡航者の空港検疫による陽性者数は、4月には80人と3月の10倍に拡大。4月の早い段階で水際対策を強化すべきでした」

 政府がインドを変異株流行国に指定したのは4月28日。5月1日にインドからの渡航者の規制を強化し、入国後の施設隔離3日間と14日間の自宅待機を求めた。それでも、与野党から「緩すぎる」との批判を浴びると、10日には隔離6日間に延長。さらに4日延ばし、10日間とする方針だが、なぜ国際標準の「14日間」にしないのか。そもそも遅いし、小出し過ぎる。

永久に続く「緊急宣言」

 市中感染の対応も後手後手だ。

「ゲノム解析でなく、PCRの簡易検査で構わないのでインド株感染者を早期に見つけ、隔離して少しでも感染拡大を防ぐ必要があります。日曜討論で加藤氏は『徹底的に検査をし、インド株を早くに発見できる体制をつくっていく』と語っていましたが、明日にも実施すべき。1~2週間後に“体制”をつくっても、手遅れです。インド株の感染が急増している英国のように日本でも7~8月ごろには、流行の主流が英国株からインド株に置き換わってもおかしくありません」(中原英臣氏)

 インド株は日本人の6割が持つ白血球「HLA-A24」の攻撃を逃れる変異を持つ。再感染や、ワクチンが効きにくくなる可能性も指摘されている。日本人泣かせのウイルスなのだ。

 加藤官房長官は23日、東京や大阪などの緊急事態宣言の延長の可能性に言及。しかし、インド株の感染が7、8月に爆発すれば五輪を直撃するだけでなく、秋以降もずーっと緊急宣言が続く事態も現実味を帯びる。同じ過ちを繰り返す政府によって、バカでかいツケが回ってきそうだ。 

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